ラッちゃんおやつ攻防戦 〜必殺技編

プロローグ:漂う香りと戦いの予感

ある日の午後。
家の中は平和そのもので、まあはコーヒーを飲み、娘の双葉は何やら台所でガサゴソやっていた。
その時、ふわっと漂ってきたお肉の匂い――。

「……これは……高級なお肉?」
布団でうとうとしていた茶色いモフモフが、ムクリと顔を上げた。
愛犬ラッちゃんである。

彼女の鼻はすでに全力稼働中。香りの発信源を捕捉し、目標にロックオン。
そして視線の先には――にやにや笑う双葉。
その右手には、ラッちゃんが滅多に食べることができない美味しい牛肉。

後方支援部隊(という名の傍観者)であるまあは腕を組み、実況を開始する。
「さあ!始まります、世紀の一戦!ラッちゃんVS双葉お肉争奪戦!」

試合開始のゴング!鋭い眼差しでお肉をロックオンするラッちゃん


第一ラウンド:じらしの舞が炸裂

双葉はおもむろにお肉を持ち上げ、ラッちゃんの目の前でひらひらと揺らす。
ラッちゃんの目は瞬時に輝きを増し、《おめめキラキラ光線・Lv.3》を発動。
この光線は、過去に家族全員を陥落させてきた伝説の技である。

しかし――双葉は全く動じない。
むしろ挑発的な笑みを浮かべ、低く囁いた。
「ほ〜ら、見えるけど、届かないよ〜」

「ほらほら〜」と余裕の双葉。完全に遊ばれているラッちゃん


第二ラウンド:心理戦プレッシャー合戦

双葉はお肉を少し下げ、ラッちゃんの鼻先スレスレに持ってくる。
ラッちゃんは鼻をひくひく動かし、《鼻先うずうずアタック》を仕掛ける。

だが、その瞬間――
双葉の手首がくるりと回転。おやつは再び空中へ。
距離はたったの20センチ。それなのに、まるで万里の長城のように遠い。

あと一歩届かない!ギリギリの距離感に翻弄されるラッちゃん


第三ラウンド:ジャンプアタック失敗

「……もう待てない!」
ラッちゃんは後ろ足に力を込め、《後ろ足ピーーン・フルパワーVer.》を発動。
茶色いモフモフが宙に舞う――!

しかし、その瞬間お肉はさらに上へ。
双葉、華麗なるフェイント。
「くぅ〜!」
床に着地したラッちゃんの顔には、明らかな悔しさがにじむ。

ジャンプ一閃!しかしお肉はまたも遠のく…


第四ラウンド:悟りモードに突入

ここでラッちゃん、戦法を大きく変更。
静の構え――《待ての極意〜千年耐久モード〜》である。

じっと動かず双葉を見つめる。
この沈黙は相手に「早くあげたい」という衝動を芽生えさせる、究極の心理攻撃だ。

「お利口さんだね〜」
双葉の声が、わずかに甘くなる。

完全に悟りの境地。動かず待つことで勝利をつかみに行く戦法


第五ラウンド:ついに勝利の瞬間!

長き耐久戦の末、双葉の心が揺らいだ。
「よし、そろそろ……」
その言葉を合図に、ラッちゃんの尻尾がパタパタと加速。

お肉が鼻先に届く――!
「これが最後だ……!《一口必殺・ミートクラッシュ》!」
カプッ!モグモグ……至福の表情が広がる。

やっとゲット!この一口のために全てを耐えたラッちゃん


エピローグ:次回予告(恐怖)

食べ終わったラッちゃんの耳元で、双葉が意味深にささやく。
「次はもっとレベル上げるね」

「……まさか次は《天空ジャーキーチャレンジ》とか言わないよね?」
まあはコーヒーを飲み干し、こう締めくくった。
「次回、空中戦突入!? 乞うご期待!」


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